calas cafe and needfulthings

「なんか色とか技術とかで言われてもイメージしてる理想の感じにはならへんよ。なんか、そうやなあ…テーマとかある？」
「それなら西海岸です」
「あ〜わかったわかった、ほなそれで何パターンか考えとくから、また空いてる日教えるわ〜」
よろしくお願いします。と言ってお互い店に戻って行った。
はて？にし…かいがん？なんでそんな事言ったんだろう？嫌いじゃないけどめちゃくちゃハマっているわけでもない。

気分を変えたいからパーマかストレートパーマをあてよかな、とオープン前の店先での立ち話の時に向かいの美容師さんになんとなく話したのがはじまりだった。
Tさんは僕の髪の毛をじっと見て
「パーマはまだいらんな、ストパはもっとないな。カラーやな」
と言いカラーをした事ない僕は
「は〜カラー…あ、アッシュ？とか入れよかな？インナーカラーやっちゃおうかな！！」と
とにかく気分を変えたくて言ったら（アッシュがどんな色かもわかってないな？）という感じで冒頭の質問をしてくれた。

西海岸がなぜかぐんぐん自分に迫っている気配はあった。

鈴木えみってブランド立ち上げる前ぐらいからダークファンタジーっぽい（めちゃくちゃ似合っている）よな。めちゃくちゃ好きやった時はもっとこうラフでちょっと太陽の感じがして…でもはっきり思い出せないな…あ！はじめて認識したマシェリのCM、YouTubeでみちゃお！かー！！！圧巻やな。最強無敵完璧！オデもトレンチコート買おかな…なんてな！フフ！（これでとりあえず一旦忘れる）

あれ？エディって今サンローラン？セリーヌ？
ああセリーヌか。なんか好きなコレクションあってんな〜マシェリトレンチ（そんなもんはこの世に無い）でもみちゃう？（値段を見てしばらく床で失神してる）

むしゃくしゃした時はGAPの隅にある（そこだけ場が乱れている）最終価格コーナーやな！学生時代からむしゃくしゃにはコレやで！と仕事終わりに見に行く。そうや店で着る汚れても悔しくない服でも何枚か買うか。
なんとなくぼやっとしている色調（だからここに流れついてしまったんやね…助けに来たで！みたいな）のラックの中に煌々と輝く強いピンクなんだけど太陽にさらされて少し褪せたみたいなトレーナーが一枚だけよれっとはさまっている。
ピンクは着んな〜しかし美しいピンク、あ、サイズぴったりや。ふ〜ん。一旦戻して色々物色するがいいと思ったらサイズがなく、サイズがあったらカラーがイマイチ。
まあパジャマにでも…とピンクのトレーナーを持ってレジにいく。小銭で買える無駄な買い物って最高〜と思いながら。
広い店内にスタッフは男の子がひとりだけ。
売り場は少し（そりゃそうだ）よれっとしていて明らかに男の子も疲れている。
お会計を待ってる間にふと、
お互い疲れちゃたね…と思って
「コロナで大変やったね」と言ってしまう。
びっくりした感じで男の子が顔を上げる。
「最近営業時間が通常に戻ってちょっと疲れています」
困った感じの笑顔で答えてくれる。
「でも久々に実店舗で買い物したらめちゃくちゃ楽しかったわ〜！9時までやってくれててよかった〜最高。」
「それはよかったです！」
さっきより丁寧な手つきできれいに畳んでくれたトレーナーを持ってありがとうと出ていく。
一階のおねえさんもニコニコと送ってくれて、やっぱGAPは昔からおれのパワースポットやで！と思った。
20代、大丸を徘徊してとっても素敵でとっても高い服を見て触って着て何も買わず（たまに買い）、ボントンで休憩して8時以降もやってる（そんときはGAPしかなかったように思う）GAPでなんかそれらしく見えるシンプルな服買って次はピカソで休憩して…めちゃくちゃ楽しかったな！救われたな！これからもちゃんと（最終価格コーナーで）買い物しようと店を後にした。

Safariのブックマークを整理しようと見ていたら謎の海外のセレクトショップのオンラインショップがあった。
なんやったけな？この位置にあるならだいぶ前やな。ふーん、悪くないやん。あ！安っ！へ〜これ日本に入ってないやつや。フムフムと巡回していると一枚ぴんとくるカーディガンがあった。
普段買わないような柄物のカーディガン、毛足が長いし、すぐ痒くなる僕はできれば遠慮したい。
しかも高い。アクリルのくせに（ひどい）とっても高い。
自分基準の適正価格がはっきりあるので、
だって縫製がめちゃくちゃいいわけでもなさそうだし、この値段、カシミヤ 買えちゃうな。しかもなんかキャラに合わんし。
バカみたいと思いながらなんてなく毎日見ていた。

話は戻って先頭に。
「西海岸です」
即答だった。

その時全部わかったんです。
最近、梨花、ひなの、小嶋（みよしのハワイ御三家）が自分の中で遠くなっていた事（とは言えチェックは欠かさない）。
夏に頑張って買ったNYのブランドのコートがいざ冬が近づくとピンとこなくなってきてるな…あんまり眺めすぎて飽きたんかな？と思っていた事。
2年ぐらい悩んでいややっぱどうやったって使うやろうと思っていたカバンを買わずに先延ばしにしていた事。

ああ、そうか。見たかった鈴木えみはよくLAに行ってた頃のえみちぃやな。は！エディの一番好きやったコレクションはサンローランでLA &古着の感じをバリバリでやってショーのあと会長が無言で会場を立ち去る問題になったやつや！！！あん時たまたまファッション通信友達ん家で見たんよな。そうか！えみちぃがその頃インスタで「最近はここで沢山服買ったよ〜」って投稿してたアメリカのセレクトショップのメンズ版がカーディガン欲しかったオンラインショップやんか〜！！あのカーディガン、サイズ感と毛足の感じサンローランのコレクションとそっくり（自分的にね）やん！しかもデザイナー、そういやアーティスト時代LAで活動してたやん！おお〜GAPのピンクのトレーナーも！へ〜髪の毛いたずらに伸ばしてたんも、ZARAで「履くか〜？？」と思いつつ買ったビンテージ加工のライトブルーのデニムもそれか〜！おかしいと思ってん（おかしいと思うもの買いなや）！あーあーそうや今日の組み合わせヘイリー・ビーバーみたいになってもうたなってジムで最近思ったな（どんなカッコでジムに？）。ローラ！あれもか（なんかローラに心当たりがあるらしい）！！

と、なってすっかり観念してカーディガンを買いました。何故か突然（だって毎日見てたので）表示価格が半額以下になっていた。セールでもなんでもなく。高くも安くもない、こんぐらいにしか見えんよなという価格に。あらがえない。

その後、ジムウェア（がマジで雑巾みたいになってきたのと組み合わせがヘイリーになる時があるので）を買わないととスポーツウェアのオンラインショップ見てたらめちゃくちゃピンときたトレンチコートがあってひらいたら、めくるめく西海岸コーディネートが一瞬で浮かびまくって買おう（僕にはとっても高い価格）としたら売り切れ&サイズ展開が元から少なくて買えず、内心「よかった！」と思った矢先、例のえみちぃおすすめセレクトショップのセールのお知らせに日本未発売の僕のサイズのそのコートが半額以下でちょこんと佇んでおられました。そしてそれはLAのセレクトショップとのコラボでした。逃げられへんのやな。そしてジムはヘイリーよろしくがんばろ！

方針が分かると買い物ってめちゃくちゃ早くかつ無駄が無くなる気がする。今GAPに行ったら10分で5着的確に買い物できる自信がある。しかもその方針は自分で頭で考えてたやつじゃなくて身体？心？が打ち出すやつ。
こういう流れがちゃんと（ちゃんと？）あるものが長く着る事になるし、長持ちしそうとか質がいいとかなにより良く見えたいという気持ちを度外視であらがえないやつが本当にほしいもの。もしくは命を救うような大切な要素がある買い物になる気がします。

この話の大事（そう）な部分は夏にもうれつに欲しくて買ったNYのブランドのそれはそれはNYっぽい素敵なコートがもうクローゼットにある事。
ここで「もうコートはあるしな、リュックの買い替えどきやしな」とかやっちゃったら流れが止まるか澱むのだと思います。
あととっても大事なのはなんとなく買わずにいた必要で絶対使うであろう衣類関係のお金をなんとなく購入を先延ばしにして手元に予算があった事。
そしてあのNYっぽいコートはあの先の見えない暗い夏に煌々と光る冬の楽しみとしての命綱だった事（そして必ず着まくる時が来るのを経験から知っています。みよしNY期お楽しみに！）。
なにより向かい美容師さんは僕をヘイリーみたいな金髪にする事なく僕らしい絶妙な西海岸に仕上げてくれる事でしょうし、それは新しい発見になるでしょう。そしてこれから先の気分に的確に添える為の大きな経験となるでしょう。だってめちゃくちゃちゃんと髪の毛をみてくれたし、その後も髪ばっかみて話してくれている。笑
流れとはそういうものだし、必要な買い物とはそういうものなのだと思います。
そしてくだらない情報（ちゃんと厳選してんの！）の渦から必要な事をピックアップする技術はこれからもっと大切になってくるでしょう。
そういう技術は得意なものからやったほうがいいし、僕は情報は遮断するより沢山見て見極めを養う方が良いと考えています。
多少の苦手や嫌いでもばんばん見たい（だからテレビがいつまでも好きです）。
なによりファッションは楽しいね〜（汚れてもいい2軍3軍のボロボロの服を着て店に立ちニコニコしながら）。

マジで今回はまとめきれんかった謎のブログやな。
でも書いとかないと忘れちゃうからな。
だらだらと新たな情報を入れるために。
9割忘れても
必要な情報はちゃんと記憶されているのです。
それが僕のツールではファッションだっただけ（かっこよく締めようと思ったけど内半分は確実に芸能人やんな）。

おしまい

めちゃくちゃギリギリのお知らせになっちゃいましたがクール？かわいい！いやよく見たらかなりやばい谷垣華さんの展示がはじまります。





谷垣華
doll exhibition
TOOK

11/6(金)-11/16(月)
11:30-19:30
※11/11(水)定休日
※11/16(月)17:00まで

ギャラリーのみのご利用も可能ですので
お気軽にお越しください。


コロナの状況悪化もありえる時期ですので会期の延期、または中止の可能性がございます。
作家及び店舗の最新情報をご確認の上、ご来場いただけますようお願い申し上げます。
また、混み具合により入場制限等お待ちいただく事もありますので、お時間に余裕を持ってお越しいただけると助かります。

何体か実物を見せてもらったり
日にあてて日光浴している画像が送られてきたのを見たりして、かわいいしかっこいいな〜みなさんも楽しんでいただけそう！
と思っていましたが谷垣さんがDMの画像を送ってくれたのを見た時、
ああ、やっぱり谷垣さんの作品だ。
人形に何かがちゃんと入っている（これは良くないものとか怖いものの話ではまったくありません）。
彼女のきちんとちょっと狂った感じと演出上の狂った提案（このバランスが谷垣さんの魅力であり絶妙さだと思う。）がきれいに混じって出てきた人形だと思いました。
なんかよかれと思って犬に見せたらひたすら吠えてきちゃうみたいな？笑
カラスのこの白い空間にかわいく並んでいるんだけど「あれ？」と目が離せなくなる感じをぜひ体感しにいらして下さいね〜（気軽に誘う感じじゃないよね）。