ケント・マエダヴィッチ個展 「海と女」11月1日よりはじまります。

2015年10月31日

先日、レイトショーで映画を観に行きました。
めちゃくちゃ怖いと聞いていたので、
いやだなあ、と思いながらポップコーンとコーラを買って
ああ、こわい!いやだなあと思いながら席に着きました。
一人で観に行ったので心細さはひとしおです。
夜だし、雨降ってたし、
でもまあ、観に行かなければいい事なのです。

日頃、映画を観に行く習慣がないのですが
観たいなとなんとなく思っていて
ちゃんと上映期間に思い出して、時間がぴったりと観に行ける回があって
運命的に観てしまう映画がたまにあります。

結果そのめちゃくちゃ怖い映画はほんとうに怖かったので
2日間夜寝る時にうなされましたし、2日目は寝ている時に体調まで悪くなりました。
すごい!怖い映画の効果よ!

毎晩映画の色々なシーンを反芻しては怖かったな〜と思いを巡らせていたのですが
だんだんと怖かった以外の部分に焦点が合ってきました。

その映画は主に狂ってしまった人の怖さが怖さの軸になっているのですが
もう自分には理解出来ない世界に行ってしまった人、
自分の言葉はもう届かない世界の人、
と面と向かって対面し同じ空間にいる驚怖、
確かにとっても怖い事ですが
でも、すべての人に日常があり、哀しみがあってうれしいこともある
そしてどんな所にも、かすかにしか感じなくても愛は存在するのだ!
そんなことを思いました。

全然違う話ですが、しかもうろ覚えですが
あるポップスターがインタビューで
「あなたは英国のポップスターとなりましたがそれはどんな気分ですか?」
というような質問を受けて
「だれだって自分のベッドルームに居る時はみんなスターだろう?」
と、いうような事を言っていました。
だれだって自分のベッドルームにいるときは
ロックスターだったり、イットガールだったり、とんでもないお金持ちだったり、
子供だったり、鳥だったり、きりんだったりするのかもしれない。
ドアをしめて一人になった時、
ベッドに入ってあとは寝るだけの時、
それは誰も知らない自分だけの自分なのだとおもいます。
たとえ後でだれかに言葉を尽くして説明してもちゃんとは伝わらない、
ベッドルームで一人で居るときの自分。

だから昼間、会いたい人と楽しく過ごして
「またね」と言って帰路につく時、
さみしくなったりするのかもしれません。
だれかと暮らしたくなったりするのかもしれません。
ベッドルームで一人で居るときのその人には永遠に会えない。
でもそんな事素知らぬ振りして
会っている時に全力で過ごすのが
楽しく過ごすのが
粋ってもんだろう?

会社の驚くほど嫌なやつも
つれない恋人も、
こわい店員さんも、
もう会うこともないあの人も、
ベッドルームでは最高の自分なのかもしれない。
そうだといいと思う。
嫌でも、つれなくても、こわくても、会わなくても、
うまく言えないですが
心から、
もうそれだけでいいよね!クール!ナイス!
またいつかどこかで!お元気で!xoxo!
と思います。
もちろん大切な人にも同じ力で同じ気持ちで。

そしてこの考え自体がベッドルームで一人、
「そうだといいねえ!」
と空想しているぐらいの儚いものなのかもしれない。

怖い映画を観た2日目の夜中、
ひどい頭痛で
ゲーゲー吐きながら(きたない)一人トイレで思ったのでした。

はからずも今日はハロウィンです。
仮装ってベッドルームからはみでちゃった秘密みたいだと
お店から通りを見ていました。

ありがとう!あの怖い映画よ!
もうそろそろ夜、思い出さないようにしておくれ。

久しぶりに展示のお知らせどこにいったんや!という長い前置きになってしまいました。
明日より新しい展示がはじまります。




ケント・マエダヴィッチ個展
「 海と女 」
2015年11月1日(日)〜21日(土) 水曜休
11:00〜20:00(Lo.19:30)※最終日は17時まで
calas(カラス) cafe and needfulthings
神戸市中央区元町通2−7−8 
元町防災ビル2階
tel&fax 078-599-9955

ケント・マエダヴィッチ
1988年生。「ウ」に点々。
2010年 神戸芸術工科大学グラフィックデザイン専攻卒

角のないフォルム、日本画的でクリアな描線が特徴の絵やイラストレーションを描いています。
主な画材:木製パネル、アクリル絵具、マスキングとブラッシング。

“「 Modern Love 」とは作家の屋号のようなものです。
[とある時代の/現在進行形の] =Modernと呼ばれるダブルイメージに
「艶・清涼・ほんの一滴の退廃感」を加え、それら感覚的要素を
scene や fashion に内包し表現しています。”

exhibition
2013 「ペア」 ギャラリーARTCOCKTAIL/大阪
prize
2011 第10回 三菱商事 アート・ゲート・プログラム 入選
2011 アートストリーム  審査員奨励賞
2012 第183回 ザ・チョイス (長崎 訓子 氏 選)  入選
2013 第19回 三菱商事 アート・ゲート・プログラム 入選
2015 第12回 1_WALLグラフィック 入選
2015 第196回 ザ・チョイス (川名 潤 氏 選) 入選

HP:http://kent-maedavic.jimdo.com

ケントさんの作品に出てくる人々は何を思っているのかわからない。
聞いてもあんまり答えてくれない気がする。
無視すらされそうな気がする。
でも不快ではないし不安にもならない。
ひとしきり質問して無視され続けて
そうかあなんて思いながら
さよならと出て行こうとすると
「さよなら」と言ってくれて
背中でそれを聞きながら
ちょっとうれしくなって帰路につく感じがする。

まったくの静かな世界。
疲れている時に本当の意味で癒される世界。

彼らは完全に完結していて、
だから対面した時に無視されても、返事がなくても、
あんまり何とも思わないし、
たくさん質問ばかりしてしまった自分を恥ずかしく思ったりしないのかな、
と思う。

そんな(ど、どんな?)作品です。

それはDMの絵のように彼らが居なくても同じ事のような気がする。
まったくの静かな世界。

人によってはどんな美しい楽園より
癒され、憩える場所のような、
ちょっと寒くなってきたこの季節に
ヒュッと心にすきま風が吹いちゃったりしがちなこの時期に
がっちり作品とピントが合っちゃったり、
なんとも思わなくて「さよなら」といって店を出て行っても
だれにでも「さよなら」と言ってくれると思います。
それって超いいじゃんか!と思います。
自分と他者についてゲーを吐きながら(だからきたない)
トイレで考えていた自分には
それって超いいじゃんか!と思ったのです。

ぜひお出かけ下さい。




















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